奈良・町家の芸術祭 はならぁと 2018

当団体が企画コーディネートを担当する「奈良・町家の芸術祭 はならぁと 2018」が9月22日(土)からスタートいたします。

当団体の「はならぁと」での業務は主に以下となります。
・実行委員会全体の企画立案/コーディネート
・吉野町国栖エリア(はならぁと こあ)コーディネート
・曽爾村アリア/吉野町上市エリア(はならぁと あらうんど)コーディネート


開催趣旨
『奈良・町家の芸術祭 はならぁと』は、地域価値の発掘作業を通して、奈良県の豊かな文化や暮らしを過去から未来に繋ぐ、今ここから発信するアートプロジェクトです。
お掃除プロジェクトや空き家見学ツアー開催による町家利活用機運の向上、地元まちづくり団体主体の運営体制による地域力向上、現代芸術を通じた新しい価値の提案による住民の町に対する誇り・愛着醸成の機会創出、住民とアーティストの交流促進による芸術普及、海外への新たな地域価値の発信を目標とし、今年で8年目の開催を迎えます。
*『はならぁと』における“町家”の定義…地域独自の文化や人々の暮らしが記憶された建築物を指します。


『はならぁと』を特徴づける3つの部門
はならぁと こあ | ゲストキュレーターとコーディネーターが参画し、実験的な現代芸術の展覧会を開催する本芸術祭のメインプログラムです。地域性を再考察することで現代日本の課題を読み解き、未来に向けて、新しい価値を提案・発信します。
はならぁと ぷらす | 長年の開催により芸術祭運営ノウハウを得たまちづくり団体自らがコーディネーターとなり、イベントを企画立案。地域と縁の生まれたアーティストが継続的に参加することで、地域ごとの独自性が育まれています。
はならぁと あらうんど | 小規模かつ地域事情を優先した企画をコーディネーターが組み立て、本芸術祭への新規エリア参入の機会とすると共に、地元住民とアーティストが相互理解を経て、共にステップアップすることを目標とするプロジェクトです。


3年にわたる地域連携プログラムの実現
2016-2017年にわたり当団体が中心となり、『はならぁと あらうんど』として地域との連携や取り組みを継続し、本年は、本芸術祭メインプログラムである『はならぁと こあ』に選定された吉野町国栖エリアは、芸術祭時期に限定した一過性の関係性にとどまることなく、奈良らしい継続性のある展開を実現し、地域とのコミュニケーションを重ねたエリアです。
本年は、参加アーティストによる滞在制作や、地域住民の声をヒアリングした企画立案を進め、「地域とアート」のよりよい関係性づくりと地域魅力の再考察を目指します。


吉野町国栖エリア「くず・たみ」開催によせて
はならぁとの会場となる町家は、ほとんどの場合が個人所有物件です。はならぁとを開催するにあたり、まずは地域団体が交渉をし、会場として借用をします。また、はならぁとでは、開催地域ごとに事情や要望は細かく異なります。メイン展覧会である「はならぁと こあ」では、キュレーター・コーディネーターが地域の要望に基づいて企画立案をします。はならぁとでの制作費は、他大規模芸術祭と比較すると決して充分といえる予算ではないかもしれませんが、今回の企画では、旧作での構成を取り入れつつ、地域要望と作家利益のバランスをとることに努めました。また、今回は特に、期間中のワークショップなどで作家自身が収入が得られるのを理想としました。それは「芸や術」をなりわいとする彼らの本質だと思うからです。
「はなまる」では、私たちの活動の延長上に作家の生活・日常・生業のサポート、仕組みづくりを目指しています。
今回、私たちが「はならぁと」で企画する際に重要視したのは、作家や来場者が宿泊・自炊できる、という点です。今回は、地域独自で助成を取得し家主と交渉をしていただいて、準備期間から宿泊場所をご提供いただきました。のべ約100泊以上の「よそ者」の滞在は、地域住民には突如発生する非日常であり、イベントとも言えるでしょう。一方、作家にとっては煮炊きして寝ること、さらにそこで、食料などの食いぶちを得られれば、それは芸術による「生活」の成立といえるでしょう。そんなノマド的生活は、過酷不便ではあるものの、自由なユートピアとして古来より様々な形態があります。また、日々あたらしい芸術を探求する作家たちの制作活動にも通じるものであるでしょう。
今回、「はならぁと」らしいオーソドックスな町家の作品展示は勿論のこと、さらに、吉野の山々や国栖の歴史に一歩踏み込んだ歴史ガイドなど先に読んで来場いただけたら、自身が巡礼者や旅人、タイムトラベラーとして、遥か昔からこの先の未来へ、同じ道を行き交う人々を想いながら歩いていただくとさらに楽しんでいただけるかと思います。
芸術を通して、地域の歴史や人々の営みに思いを馳せる。はなまるでは、これからも様々な視点の提供を続けていきたいと思っています。